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写真が伝える気持ち

スタジオ前のミモザは、まだまだたくさん咲いています。

大きなアカシアにもびっしりと黄色いつぼみがつき、近所の方から声をかけられたりします。

今日もそんなミモザを切ってスタジオに飾り、撮影の準備をしています。今日来てくれるのは、ニューボーンフォトのときから撮影させていただいている女の子。

女の子はもうじきお姉ちゃんになります。ママのマタニティフォト用に、衣装も準備をしました。

いま、楽しみに到着を待っているところです。

今日から3月になりました。冬から春になるに従って私は忙しくなっていきます。いちばんは撮影のご依頼が増えるから。

 

それから、この季節は子どもたちのほうでも何かしらの役割が出て来ます。長男の卒園時には、1日カメラマンとして保育に密着し冊子をつくりました。次男の卒園時には、卒園パーティで上映する動画を作りました。そして今は、長男のサッカーの卒部に向けて、選手とコーチへのプレゼントのフォトフレームづくりです。

「たくさんの人と係わって、支えてもらって育ったんだ」と、将来大きくなった子どもたちが写真を見て感じられたら良いな、と思いながら作っています。

先日、とても印象に残る撮影の仕事がありました。

 

大船にある保育園の、卒園児にプレゼントする冊子に使う写真を撮りに行ったのですが、そこがもう、ホントにワクワクがいっぱいの保育園でした。

私は3人の子どもたちの保育園の見学や仕事などで30以上の保育園にお邪魔したことがありますが、これほど子どもたちのことを考え、挑戦していると感じる保育園は初めてかも知れません。

たくさん木が植わった秘密基地のような園庭では、薪を燃やしてマシュマロを焼いていて、屋内では庭のゆずと手作り味噌で田楽づくりをしていました。別の場所では静かに本を読んでいる子がいて、また別の場所では熱心に手作業をしている子どもがいました。

そしてある場所で、子どもたちが写真の入ったファイルを広げて何やら話し合っていました。

そのファイルには、子どもたちの身長体重などの成長記録と一緒に、そのときその子が熱中していたことや取り組んでいたことの伝わる写真が入っていました。

それが子どもたちの手の届くところに並んでいて、子どもたちは好きな時に広げて読んでいるのでした。

ほかにも、子どもたちが入園してから卒園するまでの日々、先生たちが撮影した写真を、親とのやりとりと一緒にまとめたファイルが1人1冊ずつありました。そのファイルの写真がまたどれもすばらしくて、保育士さんたちの子どもたちへの気持ちが写真から伝わってくるんです。

 

このファイルを受け取る子どもは、記憶には残っていなくても、「忍耐強くそばでかかわってくれた人がいた」という支えを手にできますね。 

 

今回は、園の想いを込めた冊子を作っていて、そのための補足の撮影を依頼いただきました。作りかけの冊子を見せてもらうと、書いてあることも、先生たちが日ごろ撮影された写真もじつに奥深くて。これが普通の認可保育園で行われているなんて、すごいです。

園長先生は、子育てブランクを経て保育現場に復帰した際、子どもたちがあまりによく泣くのを見て「子どもって、普通こんなに泣かないよ?」と、疑問を感じたそうです。それからずっと、たくさんの「当たり前」を壊して追究して挑戦してきたことは、園に足を一歩踏み入れたときから感じました。

この仕事をしていると、ときどき本気で挑戦している方にお会いします。そんな方の姿を写真に撮ることができ、その写真が時を超え、場所を超えて誰かに想いを伝えると感じるとき、この仕事をとても面白く感じます。

昨日は、35年間地域のサッカーチームのコーチを務めたおじいちゃんコーチの最後の練習で、子どもたちとボールを蹴る姿、満面の笑みの集合写真、最後の話を聞きながら涙する教え子などの写真を撮っていました。真剣な表情で子どもとボールを追うコーチの姿、ぐっと来ました。

さて、春の忙しさはもうひとつ、庭しごとも。

ブロッコリーなどの冬野菜を片付け、春野菜に植え替える時期です。昨日だいぶ片付けたので、今日の仕事が終わったら末娘と一緒に苗を買いに行きたいな。

 

そろそろお客さまが到着されます。今日も良い写真をたくさん撮るぞ~